こんにちは。あきです。
いきなりですが、皆さんは同族経営の会社にどんなイメージを持っていますか?
「アットホームで働きやすそう」
「縁故採用で入ってきた変な人とかいそう」
「飲み会とかバーベキュー大会とかで休日に呼び出されそう」
「創業当時からの謎ルールがありそう」
ざっと検索してみた結果はこんな感じでした。どうやら世間ではマイナスのイメージのほうが強い様子…。

一言で同族経営って言っても、細かいところはそれぞれの会社で違うんだろうけど…
筆者が勤めてた会社は実際どんな感じだったの?

うーん。良い意味でも悪い意味でも、世間の人が想像する典型的な「ザ・同族経営!」って感じだったね。
せっかくだからこの記事で詳しく話していくよ!
今回は、私自身が10年間ほど同族経営企業に勤めた実体験と当時思っていたこと、そして退職に至った経緯について紹介していきたいと思います。
筆者が勤めていた同族経営企業ってどんな感じ?
筆者が勤めていた会社(以下、A社)は、社長や取締役などの役員と、部長以上の役職はすべて創業者一族で占められているという典型的な同族経営企業。
創業者一族以外の従業員は正社員とパートを合わせて約50名ほど。田舎の中小企業にしては頑張ってるな~という感じの企業規模でしょうか。
入社のきっかけはハローワークからの紹介です。求人票を見た感じとしては「お給料や待遇面は悪くないけれど、通勤がちょっと不便そうだな…」といった印象でした。

ちなみにだけど、求人票とかハローワークの職員の人から「この会社は同族経営ですよ~」みたいな情報をもらえたりはしなかったの?

私のときはなかったね~。むしろ、入社して数か月経った頃に「社長と取締役、あと部長や監査役や役職持ちはみんな社長の親族だよ。知らなかった?」って先輩から言われて、やっと知ったって感じ。
良かったところ・嫌だったところの具体例
「田舎の同族経営の中小企業」と言うとどうしてもマイナスのイメージが大きいと思いますが、意外や意外、なんとA社はかなり働きやすい環境でした。
- 有給休暇は理由がなくても取得できる(しかも申請は前日の終業時間まで可能)
- 事務所内にはウォーターサーバーとコーヒーメーカーが設置されていてどちらも無料で飲み放題
- 繫忙期以外の時期であれば「今日の仕事はもう全部片付いたので帰ります」と当日に半休を取るのもOK
- 自分のデスクは自由にカスタマイズOK(バランスボールを椅子代わりにしたり、ガチャガチャの景品を並べたり)
- お腹が空いたらいつでもおやつ休憩OK。むしろみんな食べながら仕事してる
- お掃除専門のパートさんを雇っていたため、田舎の中小企業にありがちな「若手が始業前に集まって掃除やゴミ捨てをする」という謎ルールなし
- 忘年会や新年会といった飲み会の費用はすべて社長の懐から出ていて社員の負担は無し
- 禁煙手当、資格手当など各種手当が充実
- 田舎の中小企業にしてはお給料が良く、ボーナスも悪くない
- 決算賞与が毎年もらえた
今ぱっと思い出しただけでもこんなに出てきます。

そこそこ需要はあるのにライバル企業が1,2社しかいないっていう業界だったから、業績と経営陣のメンタルが安定していて社員もその恩恵を受けられたんだろうなー。
もちろん、良い面ばかりではなく、これはちょっとなぁという部分もありました。
- やたらと集まりたがる(忘年会・新年会、繁忙期前には“頑張ろう会”、繁忙期後には“お疲れさま会”と称した飲み会、バーベキュー大会、フットサル大会、正月休み返上で社員総出の初詣などなど…)
- 社長や取締役の誕生日には全社員から数千円ずつ集金してプレゼントを用意する
- 社長の縁故採用で入ってきた人は総じて態度がデカい
- びっくりするほど仕事ができないのに役職に就いている社員がいる(もちろん縁故採用)
- ときどき、態度がデカい謎の人物(経営者一族のうちの誰か、または社長の友達)がアポなしで来社する
- 社内ルールが経営者一族内での話し合いで勝手に改変されたり新設されたりしていて、しかも他の社員に周知がないまま開始されていることがある
- 全社会議で半日費やして決めた案が、経営者一族の一存で覆されること多々
- 普通の社員10人の意見より、縁故採用の社員1人の意見のほうが尊重される
- 「仕事ができる社員」よりも「飲み会に必ず参加する社員」のほうが評価される
- 古いお付き合いの顧客が多く、少しでも気に食わないことがあるとすぐに「俺、社長の馴染みだからね?」とお決まりのセリフが飛び出してくる
…と、このように「長い物には巻かれろ」が苦にならない人には悪くない職場ですが、そうでない人には地獄のような環境なんですよね。
こんな環境なせいか、社長の親族以外で長く勤めている社員やパートさんは、わりとクセの強い人が多かったです。
そのため、「合う・合わない」がハッキリ分かれていて、入社してもすぐ辞めてしまう人も少なくありませんでした。

だからなのか、新人採用の基準は、とにかく人柄重視。
「今いる社員と上手く付き合っていけそうか」「会社に馴染めそうか」が最重要事項だったみたい。
退職を考え始めたきっかけは?
「飲み会多すぎ!」「たまに来る社長の友達うざっ!」などと、なんだかんだ思うところはありつつも、気が付けば入社して3、4年が経っていました。
ちょうど、顧客や他部署の人にも信頼されるようになって仕事が楽しくなってきた頃でした。
たまたま社長と部長のこんな会話が耳に入ったのです。

あきさん、頑張ってますよねー。
せっかくですし、給与計算の業務なんかも教えてみてもいいんじゃないですか?

いや、それはダメだよ!直接お金に関係する業務は身内にしかやらせたくない。
そのうち娘を入社させる予定だから、あきさんは今のままのポジションでいいよ。
さて、これは一体どういうことでしょう?
意味を理解したのはそれからしばらく経ってからでした。
社長が言ったとおり社長の娘さんが入社し、彼女には入社と同時に主任のポジションが与えられます。
実は、これより少し前の時期に、私が昇進して主任になるという話が持ち上がっていたのですが、それは社長の娘さんが入社したことで「なかったこと」にされてしまいました。
ここで私は、ようやく察します。

なるほど。
この会社では経営者一族じゃないとキャリアアップは望めないんだ。
そこで改めて社内を見渡してみると、いろいろと現実が見えてきました。
営業成績トップのAさんより、日々失敗ばかりで「クレーム製造機」の異名を持つBさん(社長の甥)のほうが良いポジションに就いている。
勤続20年で顧客からの信頼も厚いCさんはもう何年も係長のままなのに、5年前に業界未経験で入社したDさん(取締役の娘婿)は次長候補になっている。
正直、これはあまり気持ちのいいものではありませんね…。
どうしてそこで「すぐに辞めよう」と思わなかったのか
上記の出来事のあとも、私はA社で働き続けました。
理由は単純。まわりの会社と比べたら規則が緩く気楽で、給料も良かったから。

あとはまぁ、転職活動するの面倒くさいとか、「このぬるま湯みたいな環境から他の会社に行ける気がしない」とかもあったかな…。
主任昇進が白紙になって、すっかりやる気をなくしてはいましたが、それでも「定期昇給があるからいいや」と長い物に巻かれて過ごすことにしたのでした。
仕事を辞めた決め手、決定打はなんだった?
それは、子どもの小学校入学を翌年に控えた、ある年のこと。
A社は繁忙期になると毎日5,6時間の残業、休みは月に4日間あればいいという戦場と化します。
その戦場のど真ん中で、
データが重すぎて固まりまくるパソコン
片付けても片付けても増えていく一方の書類の山
鳴りやまない電話
有無を言わさず仕事を押し付けてくる上司
アポなしでやってきてコーヒーを要求する社長の友人
それらと必死に戦っていたときにふと我に返ってしまったのです。
「どうして私はろくにキャリアアップも望めない会社でこんなに命を削って仕事してるんだ」
「家族と過ごす時間よりも会社にいる時間のほうが長くないか?」
「しかも今週末、飲み会じゃん。なんだよ、頑張ろう会って」
そこで会社に対する貢献意欲だとか愛着といったものがすべてプツンと途切れました。
さきほども書いた通り、翌年の春には子どもが保育園を卒園して小学校にあがります。
ちょうど、「小学校の夏休みと冬休みって繁忙期と重なるんだよな…。どうやって乗り切ろうか…」「今の働き方では、絶対に学童のお迎えに間に合わない…」と悩んでいたこともあって、年度末を迎えたら退職しようと心に決めたのです。
上司にはいつ頃伝えた?退職理由は何て言ったの?
上司に退職を伝えた時期
退職したいと上司に伝えたのは、前期の繁忙期が落ち着いた9月でした。
A社は2月決算のため、退職希望時期の半年前に申し出たということですね。

半年前はちょっと早すぎなんじゃない!?
仕事の引き継ぎだってそんなにかからないでしょ?

それがですね、当時のA社は、誰かひとりでも欠けたらすべての業務が滞るくらいギリギリの人員で回してたんですよ。
だから、「辞めるのなら自分の後釜を育ててから」みたいな暗黙のルールがあったの。
んで、10月末から翌年1月末までは後期の繁忙期で新人教育どころじゃなくなるから、「新しく誰か雇って、その人に仕事を教えて、私の担当分を引き継いでもらう」と考えると9月でもギリギリすぎるくらいなんだよね。

ええ…。そういうの考えるのは人事の仕事じゃないのぉ…?
辞める人間がそこまで配慮する必要なくない…?

甘いな。
田舎の親族経営の会社には人事なんていないんじゃよ。(※会社によります)
退職理由は何て伝えた?
さすがに「会社に対する貢献意欲がなくなりました」とは言えないので…
私は、いわゆる『小1の壁』を退職理由として伝えました。
A社の経営陣は同族経営を何十年もしているためか、「家族は大切」という意識をとても強く持っていました。
それは従業員の家族に対しても同様で、「親の通院の付き添い」「子供が体調を崩した」といった家族に関わる用事であれば、よほどの理由がないかぎりは希望通りに休暇がもらえます。
なので、家族を退職理由にするのがいちばん効果的だと思ったのです。
引き留めとかはなかった?
直属の上司から「時短勤務でもいいし、お子さんが大きくなるまではパートに切り替えるとかでもいいし。なんなら夏休みとかは会社に連れてきてもいいし…」と引き留められました。
…が、丁重にお断りしました。

え、親身になってくれる良い上司じゃん。
会社側からそんな提案してくれたなら残ってもよかったんじゃない?

いやー、私が残ったら絶対に新人さん入れないだろうからね…。
私が時短やパートで残るより、がっつりフルタイムで働ける人を新しく雇ったほうが同僚たちへの負担が少ないでしょ。
そして何度か話し合いを重ね、新人さんもひとり採用されたところで無事に円満退社と相成りました。
余談ですが、退職時の私のポジションは平社員。
数年間ずっと「〇子ちゃん(社長の娘)が昇進して主任のポジションが空いたら今度こそあきさんを主任にするからね!」と言われ続けていましたが、上の役職はすでに経営者一族で埋め尽くされていたので結局叶うことはありませんでしたね。
まとめ
以上が、同族経営企業に10年間勤めた体験と辞めるまでの経緯です。
こういった企業は人によって合う・合わないがハッキリ分かれますよね。
最後は嫌になって辞めてしまったとはいえ、今考えるとなんだかんだで10年勤務したので私にはそこそこ合っていたのかもしれません。
私が勤めていた会社も、何十年も働いている人が多い一方で、入社から一か月経たず辞めてしまう人も少なくありませんでした。
私の経験が、これから就職を控えている方や転職を考えている方、同族経営の企業で働き続けるべきか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
