相続した不動産、素人が自分で相続登記やってみた|費用・手続き・流れをリアルに紹介

相続登記、素人が自力でやってみた やってみた

親から不動産を相続したとき、避けて通れないもの…。そう、それは「相続登記」。
2024年からは義務化されましたが、司法書士に頼むと数万円〜十数万円の費用がかかります。

「そんなにお金かけたくないけど、自力でやるのは難しいよね…」
私も最初そう思っていました。

でも結論から言うと、調べながらやれば素人でもできます!
今回は、実際に私が不動産の相続登記を自分でやってみた体験を、リアルな流れでご紹介します。

なぜ自分で相続登記をしようと思ったのか

きっかけは、親が亡くなり、遺品の整理をしていたときのこと。兄弟間で「そういえば、実家の家屋や土地の相続登記もしなきゃね」という話になりました。

はじめは、相続に関することはすべて司法書士にお願いしてしまうつもりだった私。

しかし、司法書士に頼むと不動産の相続登記だけでも10万円前後かかると聞いてびっくり!

このあと必要になってくるであろう、家屋や倉庫の解体、不用品の撤去、仏壇じまい・神棚じまい・墓じまいなど、それらにかかる費用のことを考えると…できれば節約できるところは節約したい!

そんなケチケチ精神で、ダメもとで「自力でなんとかならないかなぁ」と調べてみたのが始まりでした。

本当にできるかなぁと不安を抱えつつも、法務局に無料相談窓口があることを知り、思い切って相談の予約を入れてみました。

実際にやった流れ。主婦でもできた6ステップ

① 法務局の無料相談へ行ってみた

この無料相談は「登記手続案内」といって、全国の法務局で行われているそうです

完全予約制だから、必ず事前に予約を取ってくださいね!

登記手続案内は対面・電話・オンラインの3つの方法があるらしいよ。

筆者はガッツリとあれこれ教えてもらいたかったので対面にしました。

固定資産税の納税通知書を持って、予約をした最寄りの法務局へ。
予約の時点で「相続登記を自分でやりたい」と伝えてあったため、職員の方が親切に手続きの流れや書類の記入方法を教えてくれました。

正直に言うと、「やり方をまとめたパンフレットでももらえたらラッキー」くらいに思っていたので、これは嬉しい誤算!

申請書のほか、必要な書類のリスト記入見本まで渡してもらえたので、「これならいけるかも!」とちょっと安心。

② 自分以外の法定相続人(兄弟)に必要な書類集めをお願い

自分以外の法定相続人である兄弟に、申請に必要な書類(印鑑証明・戸籍謄本)を用意してほしいと連絡。

もちろん、自分自身の戸籍謄本・印鑑証明・住民票を用意するのも忘れずに。

また、被相続人(親)の本籍地記載の住民票・出生から死亡までの戸籍謄本も必要なので頑張って揃えましょう!

なお、戸籍謄本や住民票はいろいろとややこしいので、役所で交付申請する際に「相続登記に使います」と伝えると安心ですよ。

筆者の場合は、法定相続人は兄弟だけだったし、親の本籍地もそれほど遠方ではなかったから、書類集めにはあまり手間は掛からなかったよ。

(あっち行ったりこっち行ったりで面倒は面倒だったけど…)

③ 相続人全員で書類作成

兄弟全員の都合がいい日に、上記に記載した必要書類と実印認印を各自持参して集合。

法務局でもらった記入見本を見ながら、申請書に記入していきます。
印鑑を押す箇所や記入ミスがないように、ひとつずつ確認しながら進めました。

登記手続案内で事細かに説明してもらったおかげもあり、案外すんなりと完成させることができました!

相続登記の際には「登録免許税」を納めるのですが、この税金の金額も自分で計算して申請書に書かないといけないんですよ…。

ここは登記手続案内で教えてもらっていなかったら絶対にできなかったと思います。

相続登記を自力で済ませようと思ったら、とにかくまずは法務局の登記手続案内に行こう!」ってことだね。

余談ですが…私以外の兄弟は遠方に住んでおり、仕事も忙しいため、不動産はすべて私が一旦相続し、売却後に利益を分けることにしました。換価分割といいます)

換価分割については法務局では教えてもらえなかったのですが、税務署に確認したところ、「遺産分割協議書に明記すればOK」とのことでした。

※のちのち税金に関わってくる部分なので、ご自身でも税務署に相談・確認してくださいね。

④ 書類提出&収入印紙を貼って申請

必要書類がそろったら、再び法務局へ。
登録免許税の分の収入印紙を法務局内の窓口で購入し、申請書に貼り付けて提出しました。

提出した書類の束を職員さんが確認している間は、なにか不足はないか、不備はないかと内心ドッキドキ…。

「うん、大丈夫そうですね」と言ってもらえた瞬間、「まずは第一関門クリア!」と安堵したのを今でもはっきり覚えています。

この後は、受付年月日と受付番号、登記完了予定日が書かれた書類を受け取って終了

⑤ 約3週間後、申出手続完了のメールが届く

待つこと3週間ほど。
登記完了予定日の数日前に、法務局から「申出手続完了のお知らせ」とメールが届きました。

なんだこりゃ?と調べてみたところ、令和7年4月21日から開始された、不動産の所有者が法務局に氏名や住所、メールアドレスなどの「検索用情報」を提出する制度の手続きが完了したというお知らせなんだとか。

登記が完了したわけではないので要注意です!

「なーんだ、相続登記完了のお知らせじゃないのかー」とちょっとがっかりしたのは内緒。

ただ、これも大事な制度のようなので届いたメールは念のためプリントアウトしておきました。

⑥ 登記完了証を受け取りに法務局へ

登記完了予定日、申請の際にもらった受付番号などが書かれている書類を持って法務局へ。

窓口で登記完了証登記識別情報通知を受け取って完了です。


これで相続登記は無事完遂!達成感とスッキリ感、すごかったです(笑)

かかった費用と期間のまとめ

  • 戸籍・証明書類など:約8千円
  • 登録免許税(収入印紙代):不動産の評価額に応じて数万円
  • 手続き期間:およそ1か月

司法書士に頼むより数万円〜十万円の節約になりました。
時間と手間はかかりますが、やってみる価値は十分ありです!

やってみて感じたこと

  • 申請書の記入は難しい部分もあるが、法務局の登記手続案内でしっかり説明してもらえば大丈夫
  • 一度相談に行けば流れが掴めて、相続登記完了までの道筋がハッキリ見えてくる
  • 法定相続人同士で協力し合うことが大事!難色を示す人がいたら無理せず司法書士事務所へ!
  • 分からないことがあったら些細なことでも曖昧なままにせず、関係する行政に問い合わせる

「難しそうだな…」と思っていたけど、終わってみれば「やればできるじゃん!」と自信がつきました。

まとめ:相続登記、自分でやるのは意外と現実的!

法律的な手続きとなるとついつい身構えてしまいますが、法務局の登記手続案内をうまく利用すれば、素人でも十分できます。

「費用を抑えたい」「自分でやってみたい」と思っている方は、ぜひ一度、法務局に相談してみてくださいね。

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